Page One / Joe Henderson Blue Note BST-84140

BN4140 Joe Henderson – Page One (Blue Note)

Joe Henderson – Page One Blue Note BST-84140

Page One / Joe Henderson Blue Note BST-84140

大好きなアルバム。
このCDを聴いていると、部屋の温度が2度位下がるような、爽やかな雰囲気に包まれます。

共演するケニー・ドーハム(Kenny Dorham)は、自作曲2曲(「BLUE BOSSA」、「LA MESHA」)に加え、ジャケット裏の解説まで担当する力の入れよう。

いろいろ書物(何かは失念!)を読んでいると、おもしろい経緯が分かりました。

最初は何と、ジョー・ヘンダーソンがケニーの演奏に惚れ込み、ケニーと同じように演奏したくて練習を重ね、遂には弟子入りを果たしたようなのです。

この辺りは、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)がチャーリー・パーカー(Charlie Parker)に惚れ込み、弟子入りした経緯と同じようですね。

つまり、ジョー・ヘンダーソンの電磁波パルスの様に予測不可能な演奏のルーツには、ケニーの演奏も混じっているという事になります。

ジョー自身のインタビュー(出所は失念)では、
「(共演時には、)息継ぎからアクセントのつけ方まで、そっくりに吹くことが出来た。」
というお話を読んだことがあります。

・・・なんだかこの辺りは、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)と、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)の関係に似ていますね。

そうして様々なスタイルを身に付けたジョーさんの事を、『ジャズのあらゆるスタイルが含まれている』を評するサックス奏者がいる程です(誰かは失念)。

●Page One / Joe Henderson Blue Note BST-84140

01. Blue Bossa (Kenny Dorham) 8:00
02. La Mesha (Kenny Dorham) 9:06
03. Homestretch (Joe Henderson) 4:12

04. Recorda Me (Joe Henderson) 5:59
05. Jinrikisha (Joe Henderson) 7:22
06. Out of the Night (Joe Henderson) 7:23

Kenny Dorham (tp) Joe Henderson (ts)
McCoy Tyner (p) Butch Warren (b) Pete LaRoca (ds)

June 3, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

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さてこのあたりで適度に、アルバムの解説を始めますか。

1曲目はお馴染みの「Blue Bossa」。

軽快なボサノバのリズムに乗り、爽やかな演奏が繰り広げされます。
自身のスタイルとは違っているそうですが、このアルバムのおかげでジョーさんの仕事が増えたとか・・・・。

続く2曲目の幻想的なバラッド「La Mesha」もドーハム作。

曲名は、当時3歳だったケニーの娘さんの名前からいただいたらしいです。
ここでのもジョーさん、朝霧に包まれた山中みたいに幻想的な雰囲気の中、爽やかにブローしております。

3曲目の「Homestretch」は、キーがB♭のアップテンポ・マイナー・ブルース。

トップバッターのジョーさんから、師匠のドーハムに鮮やかにソロを受け渡す部分、二人の息がぴったり合っているのが良く分かります。

LP時代では、ここからがB面に相当します。

4曲目「 Recorda Me(Remember Me)」は、ジョーさん作曲のボサノバ・ナンバー。

良く聴くと、キーが同じで「BLUE BOSSA」のアンサー・ソングみたい。
この曲はジョーさん、晩年のライブでも良く演奏していましたね。

エキゾチックな雰囲気漂う5曲目の「Jinrikisha」。

曲名は日本の「人力車」から拝借したみたいです。
ここでのジョーさん、J・コルトレーンやW・ショーターを彷彿とさせる力強い演奏を聴かせてくれます。
この曲調だと、K・ドーハムのスタイルは、ちょっと浮いた(古い?)感じがするのは仕方無いですか・・・。
逆にコルトレーン・カルテットに在籍していたマッコイ・タイナーのソロは、ツボを押さえていて素晴らしい!

ラストはファンキー・マイナー・ブルース(解説文のまま)の「Out of the Night」。

こういう古めの曲調の場合、ケニー・ドーハムが生き生きしたソロを聴かせてくれますね。もちろんジョーさんも。

繰り返しますが、『ジャズのあらゆるスタイルが含まれている』ジョーさんのスタイルを余すことなく伝えたこのアルバム、一生付き合える1枚です。

買え!とは強制しませんが、一度、どこかで1枚通して聴いてみて下さい。

このアルバム収録された曲は、ジョー・ヘンダーソン自身もお気に入りだったのか、晩年までライブで演奏しておりましたからね。


(01)【Original LP Fromat (Track List)】

・CJ28-5073 Page One / Joe Henderson (1988/08/27)

・TOCJ-4140 Page One / Joe Henderson (1994/07/20)
・TOCJ-9069 Page One / Joe Henderson (RVG) (1999/01/27)
・TOCJ-6473 Page One / Joe Henderson (BN決定盤1500 24bit) (2005/01/26)
・TOCJ-7048 Page One / Joe Henderson (RVG) (2007/10/24)
・TOCJ-8567 Page One / Joe Henderson (BN Best & More 1100) (2009/09/16)

・UCCQ-5044 Page One / Joe Henderson (SHM-CD) (2014/10/22)

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