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エリック・ドルフィー待望の発掘音源集「Eric Dolphy – Musical Prophet (Resonance Records)」

先日寄ったタワーレコード新潟店に、待望の日本盤(解説書の翻訳付き)が入荷してたので、迷わず購入しました。

エリック・ドルフィー待望の発掘音源集「Eric Dolphy - Musical Prophet (Resonance Records)」
エリック・ドルフィー待望の発掘音源集「Eric Dolphy – Musical Prophet (Resonance Records)」

近年、ジャズジャイアンツの未発表音源を次々リリースし、世界的に注目を集める「レゾナンス・レコード (Resonance Records)」。

今回は何と、「Musical Prophet」というタイトルで、「エリック・ドルフィー (Eric Dolphy)」の3枚組発掘音源です。

「Musical Prophet」は、「音楽的な預言者」とでも訳せばいいのでしょうか?

蛇足ながら「孤高のスタイル」を貫くミュージシャンは、どのジャンルにも居るかと思われますが、そんな我が道を進むミュージシャン達に待っているのは、一般聴衆の「無理解」と、仕事がなかなか得られない事による「低収入」。

エリック・ドルフィーが欧州で客死した原因とも言える「糖尿病」にしても、お金がなくて食事では「はちみつ」を好んで食べてたとか(伝聞)、低収入に起因する生活習慣が原因であったりするわけで。

「孤高の道」を進むというのは結局、「我を通して」周りに迷惑かける結果しか生まない・・・という側面もあるという事を、反面教師として示してたりします。

さて、この発掘音源には、クラシカルな演奏テクニックを充分に鍛え上げ、またジャズの基礎教養「ビバップ」も充分習得したエリック・ドルフィーが、従来の「ジャズ」という枠組みから、如何にして飛び出せば良いのか?自分の理想とする「音楽」をどうやって記録として残そうか?

ドルフィーが様々なミュージシャン達と共に模索する様子を、厳選した音源として聴く事が出来ます。

このCDには3枚に渡り、様々な編成による演奏は収められておりますが、「ウディ・ショウ(Woody Shaw)」や、「ボビー・ハッチャーソン(Bobby Hutcherson)」含むバンドによる演奏群が一番、お気に入りです。

今回の音源として使用されたマスターテープは、ヨーロッパで客死したドルフィーが渡欧前、友人に預けたスーツケースの中に入っていたものだそうで。

過去にドルフィーの死後発売されたセッション音源も含め、新たに調査・整理の上、リマスター発売したものではあります。

セッション自体は以前より、1964年2月25日に録音された「Out To Lunch! (Blue Note BLP 4163)」前後の録音として、注目されていたようです。

という事で「Out To Lunch! (Blue Note)」と同傾向の、やや前衛音楽に近い演奏も、聴く事が出来ます。

欧州で客死していなければアメリカ帰国後、ブルーノートが新録音を予定していたそうで、エリック・ドルフィーのファンしては、何とも切ない気分になりますね。

なお、今回の未発表音源を含む3枚組は、アメリカの音楽プロデュサー「アラン・ダグラス(Alan Douglas)」がプロデュースし、自身のレコード会社「ダグラス・レコード」等より発売した音源を中心に、構成されております。

1963年7月1日と、3日に録音された音源は過去に、「Eric Dolphy – Iron Man [Douglas SD 755]」と、「Eric Dolphy – Conversations [Fred Miles FM 308]」というタイトルで分散収録され、発売されたものです。

過去発売された音源は「ステレオ」であったようですが、今回の音源は「モノラル」。

ボーナストラック扱いの「A Personal Statement」のみ、1964年3月の録音です。

以前、「Other Aspects (Blue Note BT 85131)」というタイトルで発売されたアルバムに、「Jim Crow」として収録されたの曲の「別テイク」であるとのこと。

なお、ディスク3収録の「Love Me (alternate take 2)」と「Alone Together (alternate take) 」は、2013年に発売された、「Eric Dolphy – Muses (Marshmallow Export MMEX-159-CD)」にも、収録されているそうです。

Eric Dolphy – Musical Prophet

Resonance Records HCD2035 / King International KKJ1031

Musical Prophet [Disc 1] Conversations

01. Jitterbug Waltz 7:18
02. Music Matador 9:37
03. Love Me 3:22
04. Alone Together 13:36

05. Muses for Richard Davis [previously unissued 1] 7:39
06. Muses for Richard Davis [previously unissued 2] 8:31

Musical Prophet [Disc 2] Iron Man

01. Iron Man 9:14
02. Mandrake 4:47
03. Come Sunday 6:28
04. Burning Spear 11:59
05. Ode to Charlie Parker 8:04

06. A Personal Statement 15:02

Musical Prophet [Disc 3] Previously Unissued Studio Recordings

01. Music Matador [alternate take] 8:05
02. Love Me (alternate take 1) 2:27

03. Love Me (alternate take 2) 3:43
04. Alone Together (alternate take) 12:14

05. Jitterbug Waltz (alternate take) 9:36
06. Mandrake (alternate take) 6:48
07. Burning Spear (alternate take) 10:31

◎Session 01 [July 1, 1963]

Eric Dolphy (bass-cl, fl) Richard Davis (b)

July 1, 1963 in NYC.

「Come Sunday」、「Ode to Charlie Parker」、「Alone Together」、「Alone Together (alternate take)」「Muses for Richard Davis [previously unissued 1]」、「Muses for Richard Davis [previously unissued 2]」

◎Session 02 [July 3, 1963]

Eric Dolphy (as, bass-cl, fl)
Woody Shaw (tp) Bobby Hutcherson (vib)
Richard Davis (b) Eddie Khan (b) J.C. Moses (ds)
Prince Lasha (fl) Clifford Jordan (ss) Sonny Simmons (as)

July 3, 1963 in NYC.

「Iron Man」、「Mandrake」、「Mandrake (alternate take)」、「Burning Spear」、「Burning Spear (alternate take)」、「Jitterbug Waltz」、「Jitterbug Waltz (alternate take)」、「Music Matador」、「Music Matador [alternate take]」、「Love Me」、「Love Me (alternate take 1)」、「Love Me (alternate take 2)」

◎Session 03 [March 1 or 2, 1964]

Eric Dolphy (alto sax, bass clarinet, flute) Bob James (piano) Ron Brooks (bass)
Bob Pozar (drums, percussion) David Schwartz (vocals)

March 1 or 2, 1964 at University Of Michigan, Ann Arbor, MI.

「A Personal Statement (Jim Crow)」

エリック・ドルフィーが、チャールス・ミンガスバンドの一員として欧州に渡り、西ベルリンにて客死したのは「糖尿病」による、低血糖状態の治療として注射されたインシュリンが原因で起きた心臓発作によるものらしいです(昔、死因を書いた記事を何度か読んだ記憶によると)。

しかし、芸術家の「我が道を行く」って行為は、自らの命を縮めると同時に、ファンである我々も、演奏者が追求してた「その後」を、「想像」でしか追えなくなる「時」が早々に訪れるというという事でもあるな・・・と、横道ながらも考えてしまいました。

ま、今回の横道は、この辺で止めときましょうかね。

Jazz Variety(ジャズバラエティ)【辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)】1stミニアルバム

Jazz Variety(ジャズバラエティ)」は、ピアノの辻佳孝(Yoshitaka Tsuji)さん、ベーシストの権上康志(Yasushi Gonjo)さん、ドラムスの清水勇博(Takehiro Shimizu)さんからなるユニット(バンド)。

2018年08月22日(水)、1stミニアルバム「Jazz Variety / ジャズバラエティ」を発売されるそうです。

Jazz Variety / ジャズバラエティ

購入は全国のCDショップ、Amazon等オンラインショップでどうぞ。後半にリンク貼っときます。

さて、何故かいち早く、私の手元にサンプルCDが届けられていたので、発売直前のこの時期に、簡単な感想を書いてみようかと思います。


まず最初にバンド名「Jazz Variety 」の由来から。

米・ニューオリンズで発行される無料音楽情報誌「off BEAT」の記載分類からだそうで。

紙面で3つに分類されたジャズ系ジャンル分けの一つ「Jazz Variety (JV)」を、拝借した模様。

ちなみに残りの二つは「Jazz Contemporary (MJ)」と「Jazz Traditional (TJ)」との事。

由来に関してピアニストの辻さんが「Facebook」上で補足されている言葉を引用しときます。

【「Jazz Variety (JV)」、この言葉を知った時「なんて楽しい印象がする言葉なんだ!!」と、感銘と共感を得て、いつかこの言葉を使って何かしたいと考えておりました。】


アルバムには、バラエティ豊かな5曲が収録されております。

メンバーのオリジナルとしては2曲。

辻さんの「Jazz Variety」は、オスカー・ピーターソン風味の軽快なアップテンポ・ナンバー。

権上さんの「You Thought About Me?」は、叙情感溢れるミディアムテンポの曲・・・。

残る3曲は、有名ジャズ・スタンダードが多いですね・・・。

「Dat Dare」は、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)作曲のファンキーナンバー。権上康志さんの強力なベースが効果的に感じます。

この演奏を聴いて真っ先に思い出したのは、「Village Vanguard」でのライブ盤「The Bobby Timmons Trio – In Person (Riverside Records ‎RLP 9391)」でした。
ベーシスト、ロン・カーター(Ron Carter)の強烈にファンキーな演奏が聴ける1枚です。

スタンダードのメドレー「Medley [All Blues / Summer Time / Mercy Mercy Mercy]」は、有名曲を3曲続けて演奏されております。

まずファンク風味の「All Blues」から始まり、ベースの権上さんがメランコリックにテーマを奏でる「Summer Time」を経て、最後にやや縦ノリ気味でファンキーに演奏される「Mercy Mercy Mercy」へと続きます。

残るニューオリンズトラディショナルらしい「Shine (Ford Dabney)」は、ドラムの清水勇博さんがアルバム最後の曲に相応しく「待ってました!」とばかりに活躍する、はっぴーなアップテンポ・ナンバー。

こんな感じで、ニュー・オリンズ風味満載な、ファンキーな演奏が詰まった1枚でした。


<広報資料より>

ルイ・アームストロングの再来と言われる「Kermit Ruffins」のレギュラーピアニストを長年務めるニューオリンズ在住ピアニスト、辻佳孝。

辻佳孝(pf)


「浜崎航meets松本茜trio」や「ジンジャーブレッドボーイズ」等での活動を経て、現在ニューヨーク在住のベーシスト、権上康志

権上康志


「indigo jam unit」、「西山瞳Parallax」などに参加後、同じくニューヨーク在住のドラマー、清水勇博

清水勇博


ピアノトリオ「ジャズバラエティ」の1stミニアルバムは、その名の通り、ジャズ~ファンク~トラッドからコンテンポラリーまであらゆる音楽を丸呑みしたジャズバラエティSHOW!


Jazz Variety / ジャズバラエティ
Open “E” Music JV-001【2018年8月22発売】 ¥1000

Jazz Variety / ジャズバラエティ

01. Jazz Variety (Yoshitaka Tsuji) 4:56
02. Dat Dare (Bobby Timmons) 5:47
03. Medley [All Blues / Summer Time / Mercy Mercy Mercy] 9:12
04. You Thought About Me? (Yasushi Gonjo) 6:25
05. Shine (Ford Dabney) 2:52

Jazz Variety[辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)]

Febrary 10, 2018 at Nori Naraoka Music Stusio in NYC.
Recording, Mixing, and Mastering : Nori Nakaoka
Designing Cover Jacket : Yoshitaka Tsuji


なお、8月16日(木)「金沢 もっきりや」を皮切りに、「Jazz Variety Tour 2018」が開催されるようです。

Jazz Variety Tour 2018

“Jazz Variety Tour 2018”

Jazz Variety[辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)]

 8/16(木)金沢 もっきりや
 8/17(金)名古屋 Mr. Kenny’s
 8/18(土)岡山 インターリュード 【ゲスト:Scott Chadwick(Tp,Vo)】
 8/19(日)山口 ポルシェ

 8/20(月)周南 BAR
 8/21(火)松山 モンク 【ゲスト:マリー大本(Vo)】
 8/22(水)香川 SO NICE
 8/23(木)広島 Lush Life
 8/24(金)姫路 ライラ
 8/25(土)大阪 ロイヤルホース
 8/26(日)心斎橋 BAR voco

※流石に新潟には来ませんよね(苦笑)。


実質、サド・ジョーンズ(Thad Jones)名義のアルバム「The Jones Boys (1957)」

「The Jones Boys」というタイトル通り、「Jones」姓のジャズ奏者をあつめ録音された企画モノですが、演奏を聴けば分かる通り、実質的にはサド・ジョーンズ(Thad Jones)のリーダーアルバムです。

Thad Jones - The Jones Boys (1957) back

「Thad Jones – The Jones Boys (1957)」Fresh Sound Records

しかし、各メンバーの経歴を調べると、カウント・ベイシー(Count Basie)楽団に在籍したり、関わった事のあるメンバーが多いのは、面白いですね。

まずピアニストは、サラ・ヴォーンの伴奏で知られるジミー・ジョーンズ(Jimmy Jones)。

個人的には、クインシーが編曲と指揮を担当したヘレン・メリルのアルバム「Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy MG 36006)」が印象深いですね。

その他、いずれもカウント・ベイシー楽団での活動で知られるベーシストのエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)と、ドラマーのジョー・ジョーンズ(“Papa” Jo Jones)

アンサンブルを支えるトランペット奏者として、カウント・ベイシー楽団をはじめ、ビックバンドで活躍したルノー・ジョーンズ(Reunald Jones)

で、最後に忘れちゃいけない、トランペット奏者で作編曲者として有名になる、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)も参加してますよ。

アルバム全編、サド・ジョーンズの流暢なトランペットをお楽しみいただけるアルバムですが、演奏曲目も「Jones」括りな感じですね。

アップテンポな1曲目「The Jones Bash (ad-lib)」で始まり、クインシー編曲によるスモールコンボ風味のアンサンブルが小気味よい9曲目「ジョーンズ嬢には会ったかい(Have You Met Miss Jones?)」で終わる構成もいいです。

「Jones」括りという勢いだけで作った企画モノの印象が強いアルバムですが、さりげに各メンバーの見せ場を作る小粋な編曲を施したり、曲調もバラエティに富む感じで、何も考えていないようで、結構綿密に作られている、いい意味で予想を裏切ってくれる作品です。

あと個人的には、大好きな作編曲者である「クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)」の、つたないながらも味のあるソロを聴く事が出来る点が重要なポイントだったりします。
トランペッターとしての印象は物凄い薄いですが、あのライオネル・ハンプトン楽団でアート・ファーマー、クリフォード・ブラウンらと一緒に演奏してた訳ですからね。


Thad Jones - The Jones Boys (1957)

Thad Jones – The Jones Boys (1957)
Period ‎SPL-1210 / Fresh Sound FSR-754

01. The Jones Bash (ad-lib) 3:24
02. You Leave Me Breathless (Ralph Freed / Frederick Hollander) 5:43
03. No Other Love (Oscar Hammerstein II / Richard Rodgers) 2:58
04. You’ve Changed (Carl Fischer) 4:32
05. Jones Beach (Quincy Jones) 6:09

06. Montego Bay (Jane Feather) 4:27
07. Blues For The Joneses (Thad Jones) 5:00
08. Salute To The Blue Bird (Thad Jones) 5:19
09. Have You Met Miss Jones? (Lorenz Hart / Richard Rodgers / arr by Q. Jones) 5:17

Thad Jones (tp) Jimmy Jones (p) Eddie Jones (b) Jo Jones (ds)
1, 5, 8,9 – Quincy Jones (flugelhorn) Reunald Jones (tp)
1957 in NYC.

Producer – Leonard Feather
Remastered by Joe Tarantino


しかし、ジョーンズ3兄弟の他の2人、兄であるピアニストのハンク・ジョーンズ(Hank Jones)と、弟でドラマーのエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)が参加していないというのもまた、不思議な話ですけど契約上の問題とかあったんでしょうかねえ。

Don Friedman – A Day In The City (1961)

白人系叙情派ピアニスト、「ドン・フリードマン(Don Friedman)」の初リーダーアルバム「Don Friedman – A Day In The City (1961)」。

Don Friedman - A Day In The City (1961) back

日本ではアルバム「サークル・ワルツ(Circle Walz)」だけ超有名で、他のアルバムってナニ?おいしいの?といった感じで、中々再発されない1枚です。

他の方が作成したアルバム紹介を読むと、マスターテープの保存状態が良くないため、再発盤のマスター音源は「オリジナルLP」を使用してるとのことらしいですね。

ちなみに、私が所有する輸入盤LP(OJC盤)は、学生時代に古町あたりに細々と営業してた輸入盤屋さんで購入した記憶があります(あいまい)。
そこのマスターが話すOJC盤の評価も強烈だったんですけど、その話は別の機会にでも。

「A Day In The City – Six Jazz Variations On A Theme」というタイトル及びサブタイトルの通り、都会での1日を夜明けから深夜までピアノ・トリオによる「演奏だけで表現」した1枚。

演奏だけで、情景描写を行っていることから「Dawn(夜明け)」や「Midday(正午)」は叙情的、「Rush Hour」や「Sunset(日没)」では突然、現代音楽に近い展開になったりします。


Don Friedman - A Day In The City (1961)

Don Friedman – A Day In The City (1961) – Six Jazz Variations On A Theme
Riverside RLP-9384 / OJC-1775

side 1
01. Dawn(夜明け) 6:05
02. Midday(正午) 5:47
03. Rush Hour(退出時の混雑時間) 6:47

side 2
04. Sunset(日没) 4:50
05. Early Evening(夕方から夜) 5:11
06. Night(夜) 8:01

all selection written by Don Friedman

Don Friedman (p) Chuck Israels (b) Joe Hunt (ds)
June 12, 1961 in NYC.


輸入盤では「サークル・ワルツ」と抱き合わせのCDで発売されましたね。



トランペットとピアノの二刀流「曽根麻央 – Infinite Creature」 2018

曽根麻央(そねまお)、1991年生まれなので、現在27歳になるのかな。

幼少期にピアノを演奏、8歳からトランペットも演奏する珍しい『二刀流』ジャズミュージシャンです。

さらに、自ら作編曲を行い、トランペットを吹きつつピアノを弾くという、今までありそでなかったユニークなスタイルの若き逸材です。

曽根さんの現在までの経歴も、驚嘆すべきものがあります。

まず2016年、バークリー音楽大学・修士課程の第1期生として首席で卒業。

2014年の「国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション」で、セミファイナリストまで進出。

同2014年「国際トランペット協会・ジャズコンペティション」では、1位優勝・・・と、輝かしい経歴ばかりですね。

曽根麻央 MAO SONÈ「インフィニット・クリーチャー INFINITE CREATURE」- IN THE STUDIO

そんな曽根さんが2018年4月、セルフ・プロデュースによる2枚組デビューアルバム「Infinite Creature」を発売しました。

さらに「アコースティック」、「エレクトリック」でそれぞれ違うメンバーを従えた演奏を聴かせてくれます。

CD帯には、『驚異の二刀流(トランペット+ピアノ)大型新人』というキャッチコピーが書かれてますが、作・編曲も秀でてるんで、二刀流どころの話じゃないですよね、これ。

私が最初に曽根麻央さんの存在を知ったのが、2017年年末にオンエアされた、NHKFMジャズ特番『セッション・トゥナイト』です。

「曽根麻央カルテット“Brightness Of The Lives”」として出演する他、「TRUMPET SUMMIT FOR JAZZ CENTENNIAL」で、トランペット奏者として演奏し、楽曲の編曲も担当しており、マルチな才能に、オーディオ装置の前で唖然としてた記憶があります。

しかし、曽根さんの魅力的な演奏もさることながら、司会担当の児山紀芳さんが、大絶賛してたのが印象的でした。

その時、オンエアされた曲で一番のお気に入りだったのが「Japanama」。

なおアルバム「Infinite Creature」を購入したのは、スタジオ録音版「Japanama」聴きたさであったと、言いきっておきます(笑)

トランペットとピアノの二刀流「曽根麻央 - Infinite Creature」


曽根麻央 – Infinite Creature
Pony Canyon PCCY-30248 [2018.04.18]


曽根麻央 – Infinite Creature [Disc 1] Acoustic

01. Within The Moment 7:48
02. Drunk At The Reception 5:18
03. Recollection(from suite “Expressions On The Melody Of Kokiriko”) 4:41
04. Untitled Allegro 4:59
05. George Washington Bridge Blues 5:47
06. Isfahan (D. Ellington / B. Strayhorn) 5:17
07. From The South 5:29

Acoustic Band
曽根麻央 (tp, p, per, voice) 伊藤勇司 (b) 中道みさき(ds)
山田拓斗 (violin -5,7, mandolin -7) 西方正輝 (cello -2,5)


1枚目、アコーステック・バンドのメンバーは、曽根麻央 (tp, p, per, voice) 伊藤勇司 (b) 中道みさき(ds) 何曲かにバイオリンやチェロが入ります。

若干ラテン風味な「Within The Moment」、酒を飲んでやっちまった失敗体験を曲にした「Drunk At The Reception」。

アルバム・バージョンでは、パット・メセニーバンドを彷彿させるヴォイスが混じる組曲「コキリコの調べにおける表現」から「Recollection」。

静と動、そして緩急ついた印象的な「Untitled Allegro」。

セカンドライン (second line)ビートで始まる「George Washington Bridge Blues」。途中、ストリングスが絡むことで、さらなる緊張感が生み出されております。

気だるい雰囲気漂う「Isfahan」は、デューク・エリントン作曲なんですね。

沖縄旋律とブルースを融合させたような「From The South」は、不思議な浮遊感漂う、かつてない曲調の「和ジャズ」かと。

トランペットとピアノの二刀流「曽根麻央 - Infinite Creature」


曽根麻央 – Infinite Creature [Disc 2] Electric

01. Beyond Gravitation 6:04
02. SkyFloor 8:26
03. Introducing #BotLives 3:46
04. Brightness Of The Lives 5:38
05. I Fall In Love Too Easily (J. Styne / S. Cahn) 6:12
06. A Letter 4:18
07. Japanama 8:06

Electric Band
曽根麻央 (tp, flh, p, syn, per, voice) 井上銘 (el-g) 山本連(el-b) 木村紘(ds)


2枚目、エレクトリック・バンドのメンバーは、
曽根麻央 (tp, flh, p, syn, per, voice) 井上銘 (el-g) 山本連(el-b) 木村紘(ds)

80年代マイルスバンドのドラマー、アル・フォスターが叩き出すリズムを彷彿とさせるドラムから始まる、軽快な「Beyond Gravitation」。

ここでの曽根麻央奏でるトランペットは、師匠であるタイガー大越さんのテイストを濃密なまでに、感じさせますね。

バラッド風なイントロで始まる「SkyFloor」。これも私が好きなタイガー大越さんテイストだなあ(笑)。

「Introducing #BotLives」~「Brightness Of The Lives」は、曽根麻央カルテットのテーマソングなんだとか。

フリー・インプロビゼーションを挟んで、「和ジャズ」なテーマメロディが登場。

ハードなドラミングに和なテーマというと、井上鑑さんとか、難波弘之さんの路線を思い出します。

スタンダードナンバーである「I Fall In Love Too Easily」は何故か、マイルス・デイヴィス・バンドの『アガルタ(Agharta)』収録の「麗しのマイシャ」を彷彿とさせるアレンジで演奏されます。

バラッドの「A Letter」は、亡くなった母方の祖母に捧げた曲とのこと。

私のお目当て「Japanama」は、「From The South」の姉妹曲なんだとか。曲名は「Japan」と「Panama」を組み合わせた造語だそうです。

日本とパナマを融合したタイトル通り「和」なテイストと、「ラテン風」なグルーブが混ざり合う摩訶不思議な演奏です。