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「Elmo Hpoe – Hope Meets Foster(Prestige 7021)」フランク・フォスターの名演を堪能

Elmo Hpoe – Hope Meets Foster(Prestige 7021)

Elmo Hpoe - Hope Meets Foster(Prestige 7021)

 ピアニスト「エルモ・ホープ (Elmo Hope)」名義のアルバムですが、後に「Wail, Frank, Wail (PRLP 7021)」と改題され再発された事でも分かる通り、カウント・ベイシー楽団などで大活躍したテナー奏者「フランク・フォスター (Frank Foster)」のモダンな演奏を堪能出来るアルバム。

 エルモ・ホープは自作曲も多く、ブルーノート・レコードで録音するほど腕は確かなピアニストなのですが、残念ながら一部マニアしか知られていないようです。

 ビックバンドでの活動が多く、コンボでの演奏が少ない印象があるフランク・フォスターですが、初期ブルーノート・レコードに残された10インチアルバムを聴いたことがある方は分かると思いますが、かなりモダンな演奏を聴かせてくれます。

 このアルバムでは自作曲「Fosterity」、「Shutout」などで、彼の素敵な演奏を堪能出来ます。

 トランペットで3曲ほど参加してる「フルーマン・リー(Freeman Lee)」は、可もなく不可もなく・・・といった感じ。印象は、限りなく薄いです。

Elmo Hpoe – Hope Meets Foster (1955)

Prestige 7021 / OJC-1703 [1985 Remastered]

Elmo Hpoe - Hope Meets Foster(Prestige 7021)

side 1
 01. Wail, Frank Wail (Elmo Hope) 6:26
 02. Zarou (Elmo Hope) 5:15
 03. Fosterity (Frank Foster) 6:16

side 2
 04. Georgia On My Mind (Hoagy Carmichael, Stuart Gorrell) 6:39
 05. Shutout (Frank Foster) 5:50
 06. Yaho (Elmo Hope) 7:40

Freeman Lee (tp -2,3,5) Frank Foster (ts) Elmo Hope (p) John Ore (b) Art Taylor (ds)
October 4, 1955 at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Supervised by Bob Weinstock
Remastered by Gary Hobish

「Pepper Adams – 10 To 4 At The 5 Spot (Riverside)」メトロノームの音が耳に残るラフなライブ録音

Pepper Adams – 10 To 4 At The 5 Spot Riverside RLP 12-265 / OJC-031

 自宅レコード・デジタル化作業のついでに、作業が完了したアルバムから順次、ご紹介しております。

Pepper Adams - 10 To 4 At The 5 Spot (Riverside)

 セロニアス・モンク、ケニー・バレル、エリック・ドルフィーなど、数々の有名ミュージシャンがライブ盤を録音している、ニューヨークのファイブ・スポット・カフェ(Five Spot Cafe)。


 バード、アダムスのコンビは、ブルーノート・レコード(Blue Note Records)を中心に、数多くの名演奏を残しておりますが、本アルバムは契約上の関係か「ペッパー・アダムス(Pepper Adams)」のリーダー名義になってます。

 ただ、実質的には「ドナルド・バード(Donald Byrd)」との双頭コンボですね。

 そして、「実況ライブ盤」という称号がこれほど相応しいレコードもないかと。まあ、ラフすぎるというか、臨場感溢れるライブ録音です(笑)。

 まず、何度聴いても印象に残るのは、演奏途中に聴こえてくる「メトロノームの音」。ベースソロなんかの途中にカッチ、カッチと聴こえてくると、やたら気になります(笑)。
 おまけにラスト前には、演奏間のチューニング風景までアルバムに入ってたり・・・。

 演奏を支えるリズム隊には、豪華かつ珍しいメンバーが揃ってますね。

 ピアノは、ファンキーな演奏で人気の「ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)」。

 ちなみにこの年、ベニー・ゴルソンにスカウトされ、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズに入団。半年後の1958年10月に、名盤「Moanin’」を録音することになります。

 ドラムスは、エルヴィン3兄弟の「エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)」。

 2年半後の1960年10月、アルバム「Coltrane Jazz (Atlantic LP 1354)」より「ジョン・コルトレーン(John Coltrane)」バンドの録音に参加してますね。

 以下、演奏曲をざっと紹介しておきます。

 1曲目は、サド・ジョーンズ作曲の「’Tis (theme) (Thad Jones) 」。エルヴィンの煽るような重厚なドラムにのり、アダムスのナイフとあだ名されるドスの効いたバリトンが炸裂します。

 2曲目は、バラッドの「You’re My Thrill (Clare-Gorney) 」。アダムスがワンホーンで、抑制の効いたソロを聴かせてくれます。

 3曲目は、ドナルド・バードが作曲した「The Long Two/Four (Donald Byrd) 」。エルヴィンが叩き出すマーチ風と4ビートが交差するリズムにのり、各メンバーの勢いあるファンキーなソロが続きます。

 なお、この曲は後日「Off To The Races 」と改題され、ブルーノートでスタジオ録音されてますね。

 以降、レコードだとB面になります。

 4曲目は、ファンキーな「Hastings Street Bounce (trad / arr by P. Adams) 」。ミディアム・テンポでファンキーなバッキングにのせ、軽快なソロが続きます。

 ラストは、ドナルド・バード作曲のバラッド「Yourna (Donald Byrd)」。

ゴリゴリ吹きまくるアダムスに続き、バラッドの名手・バードのリリカルなソロが続きます。ティモンズのブロック・コード中心のソロもいいですね。

Pepper Adams – 10 To 4 At The 5 Spot (1958)

Riverside RLP 12-265/RLP 1104 / OJC-031

Pepper Adams - 10 To 4 At The 5 Spot (Riverside)

side 1
01. ‘Tis (theme) (Thad Jones) 5:52
02. You’re My Thrill (Clare-Gorney) 5:04
03. The Long Two/Four (Donald Byrd) 10:41

side 2
04. Hastings Street Bounce (trad / arr by P. Adams) 11:20
05. Band Tuning 0:18
06. Yourna (Donald Byrd) 6:39

Donald Byrd (tp) Pepper Adams (bs)
Bobby Timmons (p) Doug Watkins (b) Elvin Jones (ds)

April 15, 1958 at The Five Spot Cafe, NYC.


 最後にブルーノートに残された、バード、アダムスのコンビによるアルバムを少し紹介しておきます。