kajiakira のすべての投稿

Jazz Variety(ジャズバラエティ)【辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)】1stミニアルバム

Jazz Variety(ジャズバラエティ)」は、ピアノの辻佳孝(Yoshitaka Tsuji)さん、ベーシストの権上康志(Yasushi Gonjo)さん、ドラムスの清水勇博(Takehiro Shimizu)さんからなるユニット(バンド)。

2018年08月22日(水)、1stミニアルバム「Jazz Variety / ジャズバラエティ」を発売されるそうです。

Jazz Variety / ジャズバラエティ

購入は全国のCDショップ、Amazon等オンラインショップでどうぞ。後半にリンク貼っときます。

さて、何故かいち早く、私の手元にサンプルCDが届けられていたので、発売直前のこの時期に、簡単な感想を書いてみようかと思います。


まず最初にバンド名「Jazz Variety 」の由来から。

米・ニューオリンズで発行される無料音楽情報誌「off BEAT」の記載分類からだそうで。

紙面で3つに分類されたジャズ系ジャンル分けの一つ「Jazz Variety (JV)」を、拝借した模様。

ちなみに残りの二つは「Jazz Contemporary (MJ)」と「Jazz Traditional (TJ)」との事。

由来に関してピアニストの辻さんが「Facebook」上で補足されている言葉を引用しときます。

【「Jazz Variety (JV)」、この言葉を知った時「なんて楽しい印象がする言葉なんだ!!」と、感銘と共感を得て、いつかこの言葉を使って何かしたいと考えておりました。】


アルバムには、バラエティ豊かな5曲が収録されております。

メンバーのオリジナルとしては2曲。

辻さんの「Jazz Variety」は、オスカー・ピーターソン風味の軽快なアップテンポ・ナンバー。

権上さんの「You Thought About Me?」は、叙情感溢れるミディアムテンポの曲・・・。

残る3曲は、有名ジャズ・スタンダードが多いですね・・・。

「Dat Dare」は、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)作曲のファンキーナンバー。権上康志さんの強力なベースが効果的に感じます。

この演奏を聴いて真っ先に思い出したのは、「Village Vanguard」でのライブ盤「The Bobby Timmons Trio – In Person (Riverside Records ‎RLP 9391)」でした。
ベーシスト、ロン・カーター(Ron Carter)の強烈にファンキーな演奏が聴ける1枚です。

スタンダードのメドレー「Medley [All Blues / Summer Time / Mercy Mercy Mercy]」は、有名曲を3曲続けて演奏されております。

まずファンク風味の「All Blues」から始まり、ベースの権上さんがメランコリックにテーマを奏でる「Summer Time」を経て、最後にやや縦ノリ気味でファンキーに演奏される「Mercy Mercy Mercy」へと続きます。

残るニューオリンズトラディショナルらしい「Shine (Ford Dabney)」は、ドラムの清水勇博さんがアルバム最後の曲に相応しく「待ってました!」とばかりに活躍する、はっぴーなアップテンポ・ナンバー。

こんな感じで、ニュー・オリンズ風味満載な、ファンキーな演奏が詰まった1枚でした。


<広報資料より>

ルイ・アームストロングの再来と言われる「Kermit Ruffins」のレギュラーピアニストを長年務めるニューオリンズ在住ピアニスト、辻佳孝。

辻佳孝(pf)


「浜崎航meets松本茜trio」や「ジンジャーブレッドボーイズ」等での活動を経て、現在ニューヨーク在住のベーシスト、権上康志

権上康志


「indigo jam unit」、「西山瞳Parallax」などに参加後、同じくニューヨーク在住のドラマー、清水勇博

清水勇博


ピアノトリオ「ジャズバラエティ」の1stミニアルバムは、その名の通り、ジャズ~ファンク~トラッドからコンテンポラリーまであらゆる音楽を丸呑みしたジャズバラエティSHOW!


Jazz Variety / ジャズバラエティ
Open “E” Music JV-001【2018年8月22発売】 ¥1000

Jazz Variety / ジャズバラエティ

01. Jazz Variety (Yoshitaka Tsuji) 4:56
02. Dat Dare (Bobby Timmons) 5:47
03. Medley [All Blues / Summer Time / Mercy Mercy Mercy] 9:12
04. You Thought About Me? (Yasushi Gonjo) 6:25
05. Shine (Ford Dabney) 2:52

Jazz Variety[辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)]

Febrary 10, 2018 at Nori Naraoka Music Stusio in NYC.
Recording, Mixing, and Mastering : Nori Nakaoka
Designing Cover Jacket : Yoshitaka Tsuji


なお、8月16日(木)「金沢 もっきりや」を皮切りに、「Jazz Variety Tour 2018」が開催されるようです。

Jazz Variety Tour 2018

“Jazz Variety Tour 2018”

Jazz Variety[辻佳孝(pf) 権上康志(b) 清水勇博(ds)]

 8/16(木)金沢 もっきりや
 8/17(金)名古屋 Mr. Kenny’s
 8/18(土)岡山 インターリュード 【ゲスト:Scott Chadwick(Tp,Vo)】
 8/19(日)山口 ポルシェ

 8/20(月)周南 BAR
 8/21(火)松山 モンク 【ゲスト:マリー大本(Vo)】
 8/22(水)香川 SO NICE
 8/23(木)広島 Lush Life
 8/24(金)姫路 ライラ
 8/25(土)大阪 ロイヤルホース
 8/26(日)心斎橋 BAR voco

※流石に新潟には来ませんよね(苦笑)。


実質、サド・ジョーンズ(Thad Jones)名義のアルバム「The Jones Boys (1957)」

「The Jones Boys」というタイトル通り、「Jones」姓のジャズ奏者をあつめ録音された企画モノですが、演奏を聴けば分かる通り、実質的にはサド・ジョーンズ(Thad Jones)のリーダーアルバムです。

Thad Jones - The Jones Boys (1957) back

「Thad Jones – The Jones Boys (1957)」Fresh Sound Records

しかし、各メンバーの経歴を調べると、カウント・ベイシー(Count Basie)楽団に在籍したり、関わった事のあるメンバーが多いのは、面白いですね。

まずピアニストは、サラ・ヴォーンの伴奏で知られるジミー・ジョーンズ(Jimmy Jones)。

個人的には、クインシーが編曲と指揮を担当したヘレン・メリルのアルバム「Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy MG 36006)」が印象深いですね。

その他、いずれもカウント・ベイシー楽団での活動で知られるベーシストのエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)と、ドラマーのジョー・ジョーンズ(“Papa” Jo Jones)

アンサンブルを支えるトランペット奏者として、カウント・ベイシー楽団をはじめ、ビックバンドで活躍したルノー・ジョーンズ(Reunald Jones)

で、最後に忘れちゃいけない、トランペット奏者で作編曲者として有名になる、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)も参加してますよ。

アルバム全編、サド・ジョーンズの流暢なトランペットをお楽しみいただけるアルバムですが、演奏曲目も「Jones」括りな感じですね。

アップテンポな1曲目「The Jones Bash (ad-lib)」で始まり、クインシー編曲によるスモールコンボ風味のアンサンブルが小気味よい9曲目「ジョーンズ嬢には会ったかい(Have You Met Miss Jones?)」で終わる構成もいいです。

「Jones」括りという勢いだけで作った企画モノの印象が強いアルバムですが、さりげに各メンバーの見せ場を作る小粋な編曲を施したり、曲調もバラエティに富む感じで、何も考えていないようで、結構綿密に作られている、いい意味で予想を裏切ってくれる作品です。

あと個人的には、大好きな作編曲者である「クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)」の、つたないながらも味のあるソロを聴く事が出来る点が重要なポイントだったりします。
トランペッターとしての印象は物凄い薄いですが、あのライオネル・ハンプトン楽団でアート・ファーマー、クリフォード・ブラウンらと一緒に演奏してた訳ですからね。


Thad Jones - The Jones Boys (1957)

Thad Jones – The Jones Boys (1957)
Period ‎SPL-1210 / Fresh Sound FSR-754

01. The Jones Bash (ad-lib) 3:24
02. You Leave Me Breathless (Ralph Freed / Frederick Hollander) 5:43
03. No Other Love (Oscar Hammerstein II / Richard Rodgers) 2:58
04. You’ve Changed (Carl Fischer) 4:32
05. Jones Beach (Quincy Jones) 6:09

06. Montego Bay (Jane Feather) 4:27
07. Blues For The Joneses (Thad Jones) 5:00
08. Salute To The Blue Bird (Thad Jones) 5:19
09. Have You Met Miss Jones? (Lorenz Hart / Richard Rodgers / arr by Q. Jones) 5:17

Thad Jones (tp) Jimmy Jones (p) Eddie Jones (b) Jo Jones (ds)
1, 5, 8,9 – Quincy Jones (flugelhorn) Reunald Jones (tp)
1957 in NYC.

Producer – Leonard Feather
Remastered by Joe Tarantino


しかし、ジョーンズ3兄弟の他の2人、兄であるピアニストのハンク・ジョーンズ(Hank Jones)と、弟でドラマーのエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)が参加していないというのもまた、不思議な話ですけど契約上の問題とかあったんでしょうかねえ。